傑作。EYEDRESS「Sensitive G」の感想

みなさんこんばんは。モスティンです。

昨日書かなかったけど今日は書いていきたいところ。

…と言いながら多分これは2日ぶりぐらいの投稿になっちまったと思う笑

 

先日弟とスマブラをやったんですけど、ボコボコにされたよ。ちなみに俺の持ちキャラはロイ。ファイアーエムブレムのロイです。勝ててないけど(キャラのせいではない)、一番使ってて気持ちいいキャラ。

 

今日は初めて、アルバムの感想を投稿するよ。音楽だけでなく、一般的な知識を持ってないからいいレビューにはなっていないかもしれないけど、本当にこれは皆んなに聴いてほしい。これは本当に買って良かった作品の一つなんですよ。

 

そんな記念すべき1枚目はフィリピンのSSW、Eyedressの「Sensitive G」。最高すぎて今回はかなり痛い文章になってくかもしれませんが、ご了承ください。

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曲目リスト(オレンジ色の字→好きな曲。それに加えて、字のサイズが大きくなったり、太字になったり、斜体になったりすればするほど、メロディが好きだったりして何回も聴きまくっているくらい好きな曲なんだということを表します。)

 

Ancient love

Alone time

Toxic masculinity

Cocaine Sunday

Cure for cancer

Xenophobic

No love in the city

No fun

Be a better friend

Stay calm

Window eyes feat. FAZERDAZE

White girl

Suntory times

Sleeping on the couch

Babygirl

Young old man

My child/old soul

PTSD

Sensitive G

Nice girl from a nice part of town

 

【これだけは聴け】

 

感想

素晴らしいと思う。20曲ぐらいあるのに、メロディーの良い曲が多くて、何回もリピートして聴いている。黒字の曲もいい曲。アルバム全体的に音像も何もかも全部好み。海外の方のレビューで、マックデマルコやコナンモカシンさんの名前が出されていましたが、彼らと同等、もしくはそれ以上の人だと思う(個人的に)。彼らのアルバムは一枚も持ってないのに言っちゃってますが。少なくともマックデマルコより、個人的に好き。発売されてから今まで、日本のレビューを見かけなかったんだけど、これは本当に是非みんなに聴いてもらいたい。インディーポップが好きな人、パンクが好きな人、R&Bが好きな人。この作品は全員に刺さる。

 

「Ancient love」。この曲を聴くと、カラカラとした荒野に一人ポツンと佇んでいる彼、Idris Vicuñaの姿を思い浮かべてしまう。前作の「Manila Ice」とは打って変わってFAZERDAZE以外に一切客演を呼ばず、自身にのみスポットを当てたというこの作品。そんな彼の物語の幕開けとしてふさわしい曲なのではないでしょうか。

 

それが終わると、インディーポップタイム。実にスウィートでインディーポップ好きのツボを押しまくってくる良メロディの「Alone time」が始まる。歌詞が曲にあってて最高だと思う。こればっかり聴いてたし今も聴いてる。

 

オラオラオラオラと言わんばかりに、またまた良曲「Toxic masculinity」。優しいシンセの音色、気怠げな独特のメロディ、切ない歌詞…。よい。名曲。スウィート。PVが東京で撮られてるんだけど、美しい。

 

もともとはどっかのコンピに収録されていた「Cocaine Sunday」。曲全体に流れている虚しさがたまらん。窓を見ながらムシャムシャ薬食べてますみたいな。歌詞も、「君が正しかった」「いたずらするべきではなかった、なぜなら僕は自殺して死んでしまうと思うから」「僕がやったことは全て間違っていた」(俺による和訳)などなど、なんらかの後悔を感じさせ、グッとくるものがある。収録してくれてありがとう。

 

まるで地下で薄明かりの中鳴り響いているような「Cure for cancer」。怪しい。黒字にしたけど、オレンジにしようか迷った。これも好きな曲なんですよね。

 

そしてここからパンクの侵食が始まる。「Xenophobic」。張り詰めた緊張感がかっこいい。歌詞がこの社会を鋭く表現しているような気がする。「If you show more skin,maybe they will like you  But that's not why I like you  That's not why I like you  I like what's inside your head」っていう歌詞が個人的に好き。Eyedressさんは理性的というか、人道的な人なんじゃないかなと思った。

 

「No love in the city」。ところで、現在フィリピンでは、このようなことが起きている。

信じられないけど、フィリピンでは麻薬使用者、密売者は容赦なく殺されているらしい。それに加えて、はっきりとした証拠がなくとも、何らかの犯罪を犯した疑惑をかけられた人物も同様に殺されてしまうのだ。それも子供が多い。さらに、政府を批判する人もその標的になる。暴力で国をコントロールしようとしているように思えるフィリピンの政府。もはやどちらが悪なのかわからないこの状況をEyedressはこの曲で嘆き、批判している。恐ろしすぎる。こんなことは自分にはできないと思う。この人も標的になってしまうかもしれないのに。俺は今まであんまりパンクを聴いてこなかったけれども、これほど勇気のあるパンクはそうそうない。曲としてもかっこいいです。twitterでこの曲のライブの映像を見たんだけど、Eyedressが全てを込めてシャウトしてて、スタジオ音源よりもかっこよかった。「Who's gonna die today」「Who's gonna cry today」…

 

そして怒りが頂点に達したような「No Fun」。ギターの弦が切れちゃうんじゃないかと思うぐらい強くギターが掻き鳴らされている。MVでは血だらけのEyedressが遊んでいる。この曲、そしてMVは「Studio Voice」によるEyedressのインタビュー動画と同時期に発表された。Eyedress自身もこれまで様々な苦悩があったようで、なかなかアルバムが出せなかったり、作品がうまく作れなかった時期もあったらしい。彼は自身の若かりし頃を「本当にめちゃくちゃだった」と回想している。このMVは、家族ができて自分を取り戻した彼の再起の過程をその動画によって垣間見ることができた後に公開された、新たな物語の始まりの狼煙とも言える重要なものなのだ。そういったストーリーを知ってからこの曲を聴くと、グッとくるものがある。

 

超名曲、Be A Better Friend

(好きすぎて、ポエムっぽくなりますが、ご了承下さい。)「No Fun」が終わり、血だらけの青年がむくりと立ち上がったかと思ったら、規則的なドラムと共に脇目も振らず一心不乱に若者は走り出す。もうその足は止まらない。「Be A Better Friend」。周りには取り繕って接するものの、彼女が自分と同じ類の苦しみをその心の中に抱えていることを、青年は知っていた。その彼女と悲しみを分かち合うために、内に傷を負いながらどこまでもどこまでも突き進んでいく。「もっと深く君と友達になりたい」。例えそれが間違った道だとしても。

…俺の妄想ストーリーは、こんな感じだ。個人的にインストの音楽もいいと思うんだけど、歌ものだって歌詞が良ければ、それはそれで想像力が働くし、想像するというよりも、その歌詞を骨の髄まで味わい感動してしまう。「Be A Better Friend」。この曲のためにこのアルバムを買う価値があるし、このアルバムを傑作たらしめる所以の一つにもなっている。人生の一曲に去年、出会ってしまった。2018年のお気に入りの曲を挙げろと言われたら、Last Dinosaurs「Sense」、Foliage「Be transperant」、そしてこの曲を挙げる。多分(このアルバムもだけど)この曲は一生聴き続ける。疾走感のあるギターとドラムに、物語的な歌詞とクールなボーカルとメロディが乗っかって、内なる衝動が突き動かされる曲になっていると思う。勝手に足が動き始める曲。本当にEyedressは天才だ。個人的に好きなところは、「My life is getting dark」と二回呟いたあとの、どこまでも落(堕)ちていくような神がかったギターソロ。

本当に素晴らしい。この曲に熱量をかけすぎたので、後の曲はだいぶ適当なレビューになってしまうかもしれません笑

 

「Stay Calm」。多分ライブで先に公開されていた曲だと思う。インスタにあったと思う。うん、良いよね。かっこいい。

 

FAZERDAZEとコラボした名曲「Window eyes」。最高すぎ。この曲には確実にFAZERDAZEが自身の作品で描いてきた景色が混ざっていると思う。まああんまりFAZERDAZEさんの聴いたことないけど。お花がいっぱいで、家の窓から彼女が勉強しているのが見えるなーって感じの「庭」をイメージしてしまう。

 

あーもう名曲ばっかりやめてくれよ。休ませてくれよとリスナーが言おうと御構い無しにまたまた繰り出された名曲「Sleeping on the couch」。ダウナーな雰囲気がたまらん。なんだろう、この曲では、友人に見放された人が昼間っからハンモックに寝っ転がってるところなどが思い浮かぶ。僕も友達に見放されたように思ってたから、なんか共感した曲でした。

 

あ、「Sleeping on the couch」の前に2曲ぐらい飛ばしてましたね…「White girl」と「Suntory times」。サントリーって、あのサントリー

 

「White girl」は、冬の北海道っぽい曲だと思う。吹雪や光のように空間を切り裂くシンセ、オトナな趣のピアノが美しい。

 

「Suntory times」は最初とっても朗らかな雰囲気があって、君を愛してるよーっていう、幸福感があっていいなと思うんだけど、徐々に不安や悲しみが募っていく感じがとても好き。

 

飛ばしちゃったけど、どっちも良い曲だと思う。

 

「babygirl」。フォークソングかな?やっと幸せなひと時がやってきたね。束の間のひと時。どこまでも真っ直ぐな愛情表現。ゆったり。幸せだね。

 

ここから、R&Bゾーンに入る。

「Young old man」。テンポ遅めの、聴いててとっても気持ちのいいR&B(?)。かっこいい。この曲から、Arctic Monkeysの去年出したアルバム、「Tranquility Base Hotel & Casino」を彷彿とさせるような、メロウな味が出てくる。暗めのバーとかでなってる感じ。メロディとかは今までの「Alone time」とかの方が好きなので黒字。

 

「My child/old soul」。最初は、「バラードか?でも、もうこういう感じの曲は、『Young old man』でお腹いっぱいだよ。終盤になって失速してきたんじゃね、このアルバム…。」と思っていた。しかし、2分35秒あたりから、とってもメロウな泣きのメロディーが流れてきて、琴線に触れた。やっぱ良い曲だなと思った。

 

PTSD」。最初の「キラキラ…」がよい。この曲を聴くと、落ち着かざるを得ないのは何故だろう。歌詞を知りたいんだけど、見つからないよ。R&Bとかって個人的にあんまり好きじゃないんだよなとか思ってたけど、彼の音楽を聴いていて思うのはどのジャンルの曲を作っても全部かっこいいから、全部聴いてまうってこと。ギターとかがいいですよね。

 

そして、R&Bゾーン屈指の良曲「Sensitive G」。表題曲である。洗練された曲だなと思った。ギター、ベースの厚みのあるハーモニー(?)がたまらん。「僕は浮気しないよ」って感じの歌詞だったと思う。Eyedressはかなりイケメンだけど、浮気しないでほしい。しなさそうだけど。とってもいい曲だと思った。そういえば、「頑張れ」とかっていうハッピーな歌詞がどの曲にもなかった。Eyedressの曲のテーマとして「愛」が多かったけど、辛い現実や生い立ちが不安、悲しみと幸福を望む気持ちの両方を行き来する彼の詩世界を作っているのかもしれない。

 

最後。Clairoが嫉妬するベッドルームポップの名曲「Nice girl from a nice part of town」。可愛い。歌詞も、好きな女の子を遠くから男の子が眺めているみたいな、可愛らしいイメージが浮かぶ。最後にこれを持ってくるのが最高。最後の数秒間は静寂が流れ、最高の幕引きとなっている。

 

他に思ったこと

Penny Nikkelのイラストが可愛いので、是非これはCDやLPを買って確かめてもらいたいところ。

 

まとめ

本当によかった。今度の来日ライブに行ける人たちが羨ましい。行ってみようかなと思ってる人は、是非このアルバムだけでも聴いてから行ってほしい。このアルバムは多分人生の一枚の中の一つであり、一生聴くかもしれない。買ってよかったと本当に思う。ありがとうEyedressさん。

 

…あとEyedressさんが最近「The Simps」という新しいプロジェクトを始めたっぽい。この曲が本当にどこまでも美しい。素晴らしすぎる。最高すぎる。早くアルバムをリリースしてくれ。

相方の女性の方の情報を今集めようとしているんだけど、Jasmineさん(妻)ではないっぽい。どなたなんだ…?めっちゃかわいいけど。「ZZZAHARA aka Lil boba666」さんという名前でツイッターをされている。そして、PVの監督はEyedressが務めているらしいんだけど、PVもめちゃくちゃ美しくて、本当に最高だ…泣ける。どの分野でも天才か。あともう一人の金髪の女性の方がめっちゃ可愛いんだけどその人のことも知りたい。とりあえずアルバムをリリースをするなら、CDでもリリースしてほしいし、Amazonで頼めるようにしてほしい。

 

とりあえず、めちゃくちゃな長文になりました。ここまで読んでくださった皆様、ありがとうございました。